新卒入社から5年で子会社社長に。急成長の土台は「想像力」─リアルX・千葉博文

2018.03.28

2018年3月に新たに誕生したリアルワールドの子会社「リアルX(リアルエックス)」。クラウドメディア事業やクラウドソーシング事業を手がける同社の代表取締役社長に就任したのが、現在27歳の千葉博文さんです。

新卒でリアルワールドに入社してから5年。変化の激しいベンチャー企業で「インターネットを通して、いつでも、どこでも稼げる世の中をつくりたい」という思いで走り続けてきた千葉さん。就職活動、そして入社後5年間の成長の原動力となったのは、「近い将来のなりたい自分を明確にイメージする」という「想像力」だと語ります。

千葉博文(ちば・ひろふみ)
1990年生まれ。筑波大学経営工学部卒業後、新卒で株式会社リアルワールドに入社。クラウドメディア事業の新規の立ち上げ、プロモーション責任者などを経て、2015年にメディア事業責任者に就任。2016年12月、アドテクを活用したマネタイズ支援に特化した子会社の株式会社LifeTechの取締役に就任。2017年4月にリアルワールドの執行役員を経て、2018年3月より株式会社リアルXの代表取締役社長に就任。

最先端の情報を収集しなければ。大学入学してすぐに抱いた危機感

—まずは学生時代の取り組みについてお聞かせください。どんな学生でしたか?

僕は宮城県出身で筑波大学に進学しました。入学当時はなんとなく銀行や商社に入りたいなと考えていました。でも、入学していろいろな人に出会ううちに、自分の考えがものすごく狭いことに気付いて、「このままじゃダメだ。いろいろなことに興味をもたないと」と焦りを感じるようになったんです。

自分の世界を広げるために、とにかく行動しようと思いました。大学内だけでは情報が足りないと感じて、大学1〜2年の間はプログラミングを勉強したり、スキルアップにつながるイベントに参加したりしていました。また、短期インターンにもよく行きました。当時はいまほどインターンが一般的ではなかったので、その点では頑張っている学生だったかもしれません。

そして、イベントやインターンに参加した時に企業の人と注目されている学生とのつながりを積極的につくって、彼らが発信する最新の情報に触れるようにしました。

—企業や参加者とつながりをつくるために、工夫したことはありますか?

知り合った方には基本的に、「SNSのアカウントを交換してください」とお願いしていました。つながっている方が情報を発信したら、それについて自分なりの意見を添えてコメントを返す、ということをしていました。

 

自分の代名詞が何もないことに気が付いた

—イベントに参加したり、SNSで発信したりする行動力がすごいですね。多くの人とつながることで、得たモノはありましたか?

自分の顔と名前を覚えてもらいたいという考えでしたが、いま思えば、相手の印象に残ったという実感はありませんでしたね(笑)。

知り合った人の中には、学生団体を立ち上げた人や自分でサービスをつくっているような学生もいました。でも、当時の僕は「これをやっています」と自信をもっていえるものがなかったんです。SNSでつながっている人たちに「頑張っている学生」とは思われたかもしれないけど、それ以上ではなかったと思います。結局、「何もない千葉くん」にすぎなかったんじゃないかなと。

その時に、多くの人とつながっていることよりも、「自分が何をやっているか、何をやりたいか」という自分の代名詞になるものをもつことが大事だと気付きました。

—いろいろな人に会うことで、「自分には何もない」という気付きを得られたんですね。

そうですね。社会人になるに向けて行動するためのきっかけとしては、必要な気付きだったと思います。

 

やりきるためには「想い」が必要

—その後、どのような就職活動をしたのですか?

インターネット系の企業を中心に就活をしました。当時のエントリ—シートには、受験勉強のときに目標を達成するために1日16時間勉強した体験をもとに、「やりきる力があります」というようなアピールを書いていましたね。

でも、就活をする中で、給料は高いほうがいいし、ワクワクもしたいといったことを考えているうちに、「自分が本当にやりたいことはなんだっけ?」と悩むようになりました。結局、自分が行きたい会社を選ぶことができなかったんです。

—最終的にリアルワールドへの入社を決めたわけですが、きっかけは何だったのですか?

大学2年の終わりに3.11の震災が起きたんです。故郷の近くだったので自分の目で見なければと思い、ボランティアとして現地に行きました。そこで出会ったおばあさんが「20年後、街がきれいになっても誰もいないないよ」と言ったんです。それを聞いて、復興って何だろうとすごく考えさせられました。

この体験を通して、「街にいる人々で経済活動を回せるようにならないと復興したとはいえない。そのために、インターネットを通して、いつでもどこでも稼げる世の中をつくりたい」という強い思いをもつようになりました。

それからの就活は、「自分の思いを実現できる会社はどこだろう?」ということだけを軸に、企業を探しました。それで理念に深く共感したのがリアルワールドだったんです。

—自分の「思い」を強くもつことで、理想の会社に出会えたんですね。

就活を始めた当初は「やりきる力」が自分の強みだと思っていたのですが、やりきるためには強い「思い」が必要だと思うんです。そこまであって、本当の意味で自分の強みになるのかなと思います。

 

先輩をマネて、自分に足りないものを吸収していく

—理想の会社に出会って入社したわけですが、入社後の印象はどうでしたか?

理想と現実のギャップを感じました。入社して1カ月くらいで「会社を辞める」と言っていたくらいです(笑)。最初は運用業務を覚えることからはじまったのですが、毎日やっている作業が何につながるのかを理解できていなかったんです。

—どうやってその状況を乗り越えたのですか?

入社して3カ月後にPCメディア事業の責任者に抜擢されて、本気で取り組まざる得ない状況になったんです。でも、自分はわからないこと、できないことばかり。もう頑張るしかない環境に立たされて、つまらないことを言ってる余裕がなくなりました。

—事業部長になって責任を伴うようになって、自分に足りないものを習得するために工夫したことはありますか?

人マネですね。伝え方、伝える内容など、先輩を観察してうまくいっていることをとにかくマネてみる。でも、ただマネだけではうまくいかなくて。大事なのは、何を求められているかを理解することなんだと気が付きました。求められていることがわからなければ、「これはこういう意味ですか?」と聞くようにしました。

—いきなり事業部長になるというスピード感はベンチャーならでは、ですね。

リアルワールドでは成長する機会は異様にあります。やることも考えることも多いですから。僕の場合は「事業部長」という肩書きがありましたが、肩書きがあるからこそ会える人、できる話があります。それを若いうちから経験できたことは大きな価値があったと思います。

 

3年後、10年後、どんな自分になりたいか具体化する

—自分を成長させて、結果を出していくために、千葉さんが大切にしていることは何ですか?

1つは、自分が近い将来どうなっていたいかを考えることですね。目指すイメージを具体的に想像することで、いま何をしなければいけないかが見えてくると思います。

たとえば、30歳で1000万円稼ぎたいとしたら、まずはそれがどんな人かイメージしてみる。どんな職種についているか、ベンチャーか大手か、毎日どんな仕事をしているのか、どんな暮らしをしているかなどを具体的にイメージする。イメージができなければ、具体化するために必要な情報をインプットする。それを繰り返すことで、自分を成長させていけるのだと思います。

もう1つ大事だと思っているのが、リアルワールドの代表に言われたことなのですが、「でかい夢を語ること」です。「30歳でマネージャーになりたい」と言う人はマネージャーになる方法しか教えられない。でも、「1億稼ぎたい」と言う人にはもっと多くの情報が入ってくるし、チャンスも増えるはず。より大きな夢をもっている人のほうがトクをすると思います。

僕自身も、そういうでかいことを語る人と一緒に働きたいですね。

 

名刺には、企業を知るヒントがある

—将来を具体化するインプットの一つとしてOB訪問やインターン参加などがありますが、企業をより知るためのアドバイスはありますか?

企業の方に会うと名刺をもらいますよね。その時に事業部の名称をチェックするといいかなと思います。同じような事業をしていても会社によって事業部の名称が異なりますよね。そこにはその企業の思いが詰まっていると思うんです。

たとえばリアルワールドでは、「メディア事業部」という時もあるし、「PCメディア事業部」「スマホメディア事業部」と分けている時もあります。この情報があれば、「なんでPCとスマホに分けたのですか?」と質問できる。その会社のことを深く知ることができるかもしれません。

また、Eightを活用している方なら、名刺交換した方やその周りの方の経歴を知ることができるので、次回会う時の会話のネタになるかなと思います。

—最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。

「お金を稼ぎたい」とは言っていても、じゃあいくら稼ぐのか、どうやって稼ぐのかなどをはっきりイメージしている人って少ないと思うんです。どんなことでもいいので、まずは自分の将来を数値化することが一番大事だと思います。

極端な話、イメージしたその先にどうやって実現したらいいかわからないと言う人もいるかもしれません。でも、イメージがはっきりしていれば、行動の仕方を一緒に考えてくれる人や企業に出会えると思います。

 

 

How to “ROCKET START”

千葉さんが考える「学生のうちにやっておくべきこと」

  1. 自分の将来を具体的に考える
    自分が目指すゴールを明確にすることで、取るべき行動が見えてくる。
  2. ゴールをイメージするために、たくさんインプットをする
    人に会ったり、調べたりしてインプットを増やすことで、ゴールまでの道のりが見えてくる。
  3. 夢は、大きいことを言う
    「1000万稼ぎたい」よりも「1億稼ぎたい」と言う。大きな夢を語ったほうがチャンスが増える。

写真/島村緑 取材・文/村上佳代